新訳 フランケンシュタイン (角川文庫) と映画の歴史: 読書レビュー

カテゴリ: 読書

記事投稿日: 2025年9月26日

記事更新日: 2025年9月26日


ホラーブームがあった1980~1990年代初頭、「角川ホラー文庫」シリーズの初期の一冊として購入。

若く才能あふれる科学者、フランケンシュタイン。死者を甦らせることに情熱を注いだ結果、恐ろしい怪物が生み出されてしまう。愛する者を怪物から守ろうとする科学者の苦悩と正義を描いた、ゴシックロマン。
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当時、”恐怖の帝王”スティーヴン・キングに傾倒していた流れで本書を手に取りました。

導入は、何が起きているのかと手間取りましたが、命の創造という恐ろしい、哀しい、でもちょっと理解できる、面白いお話に夢中になりました。
今読み直したら、おそらく科学的にひっかかる部分があるでしょうが、それを補っているのがストーリーテリングの力だと思います。

後に発行された『フランケンシュタインの子どもたち』というアンソロジーも面白いです。
トラウマになるようなおぞましい話ではなく、どれもお化け屋敷に入っていって、ああ怖かった! とホッとできるレベルです。

生命蘇生や人間創造にとり憑かれてしまった十二人の苦悩と狂気に満ちた運命。古典から本邦初訳の知られざる名作までを集めた、フランケンシュタイン・アンソロジーの決定版。
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フランケンシュタインの話は、映画史と共にあります。
最初は1931年。白黒映画だからこそ、”怪物” の表情などがすさまじく写っています。

1931年の映画フランケンシュタイン
Universal Studios, NBCUniversal – Dr. Macro, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=3558176による

私がリアルタイムで観たのは1994年のケネス・ブラナー監督の映画。
制作は『ゴッド・ファーザー』シリーズの巨匠、フランシス・フォード・コッポラ。

愛もなく、なぜ造った。それは想像を絶する恐怖。もう誰も止められない。科学を通して人は神になれるのか?生命創造に取り憑かれた若き科学者フランケンシュタインと彼によって生み出された怪物の愛と憎しみ、そして悲劇の結末は…。
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主演はロバート・デ・ニーロ。ヘレナ・ボナム=カーターなど豪華な布陣。
キャッチコピーは「愛もなく、なぜ造った」。
“怪物” のアクションが見どころで、CG も VFX も存分に使えない時代に、すさまじい膂力を発揮するシーンに新時代を感じたものdす。

近年では、作家のメアリー・シェリーを題材にした映画もありますが、私が好きなのは、藤田和日郎の作品。

ガス燈が霧ににじむヴィクトリア朝のロンドン。ロンドン警視庁〈スコットランド・ヤード〉の犯罪資料室「黒博物館」を、歴史的ホラーヒーローの「生みの親」が訪れる。彼女が閲覧を希望したのは、赤いブーツ…2年前、女王主催の舞踏会で起きた怪事件の遺留品だった。そして女は、一人のおぞましく、あまりにも奇妙な女剣士の思い出を語りだす。
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そして今年(2025年)は、ネットフリックスでギレルモ・デル・トロ監督の映画として、11月に配信予定です。

▼ フランケンシュタイン | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
https://www.netflix.com/jp/title/81507921

来たるべき AI 時代にも、こんなにも訴えかけてくるものがあるとは、文学とは面白いものですね。








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