[レビュー] スタイラスペン の Adonit Jot Script クールグレイ を使ってみました。 | レビュー | みどりのウェブ開発日記

[レビュー] スタイラスペン の Adonit Jot Script クールグレイ を使ってみました。

カテゴリ: レビュー, 周辺機器

記事投稿日: 2015年4月19日



高級スタイラスを期待して購入した理由

スタイラスというと、スティーブ・ジョブズが iPhone お披露目のプレゼンテーションで
「最強のデバイスは指だ」、「ノット・スタイラス!」と連呼していたのを思い出します。



それはさておき、そもそもなぜ、購入時8千円以上もしていた
高級デバイスを買うのにふみきったのかと言えば、
あふれかえる情報の山(紙ベースのものを含め)の管理方法について
頭を悩ませていたからです。

ウェブのエンジニアとして生きていくというのは、様々な言語、サービスと
マルチに付き合っていくことを意味しています。
HTML、XHTML、HTML5、CSS、LESS、SASS、Compass、JavaScript、jQuery、
PHP、Ruby、CakePHP、Ruby on Rails, Yii、WordPress、node.js、Git…
はい、キリがありませんので、このあたりにしておきます。まだまだ今後も増えるでしょう。
「自分はこの言語だけで生きていく」という人は、『プログラマ30代定年説』に
がっちりとらえられてしまうでしょう。これは別にエンジニアに限った話ではないと思います。
学校で勉強はおしまい、と思っている人は、遅かれ早かれスピードアップし続ける
社会の潮流に乗ることができず、情報の洪水に溺れてしまうだけ…残念ながら。

何が言いたいのかというと、生きているかぎり、ひたすらメモは増えるということ。
それは、様々な覚書、スニペット(コードの断片)だったり、レシピや
会議の議事録、マインドマップ、いつも購入する日用品のリストだったり、さまざまです。

2008年頃、「Keynote」というアウトラインプロセッサがあり、大変重宝していました。
アウトラインでメモを構造化できるので、頭の中が整理され、その当時は
これなら「いくらでも」テキストデータのメモを放り込んでおける、と思ったものです。
実際、当時としては大活躍でした。検索も早いので、社内でよく起こる
トラブルをその都度マニュアル化したおかげで、半年後に同じことが発生し、
誰もが対処法を忘れていた時でも、瞬時に対応できた、ということもしょっちゅうでした。

しかし Evernote が出てきたあたりから、「Keynote」でがんがんメモを増やす、ということに
自信がなくなってきました。ひとつは、Keynote は Windows 限定のアプリであり、開発が
数年以上にわたり止まってしまっていること。また、ウェブページは保存できません。
「コードをもっと見やすく管理したい」、「手書きのメモはそのまま保存したい
(データにおこしている時間がない)」という欲求が高まってきた矢先、
Evernote のマーケットニュースで、このスタイラスを知りました。
真っ先に思ったのは、「これで紙のノートは買わなくてすむ」ということでした。
デジタルで、クラウド上にデータを保存すれば、ほぼ無限に蓄積できます。
iPad があれば、ノートが不要になる、と期待し、Amazon で購入したというわけです。

使用感。ペン先がカチカチ

さすがに高級スタイラスだけあって、パッケージはおしゃれでした。
付属の電池を入れて、メーカーのアプリで Bluetooh 接続するのもスムーズに
進みました。さて、「ノートのように」使えるかな…?

あれ、ペン先が太い…というのが第一印象でした。

万年筆のようには書けません。紙ほど情報をつめこめないので、この時点で
頭の中でブーイングが起こりました。ペンが太いよ! マジックでメモ書いてどうするの?

次に、気になったのが、ペン先からの稼動音です。
ペンは多少、画面に押し付けて、引っ込める必要があります。
私は長時間、バスや電車で移動することが多いので、移動中に使おうと思っていたのですが、
この音は、周りに響きます。というか、満席の乗り物の中では使えないレベルです。
あと、iPad では反応が良いのか、それほど押し込まなくてもいいのですが、
Windows タブレットではしっかり押し込まなくてはならず、音もその分大きくなりました。
書き込むたびに、画面に押し付けて、カチ。
離すと、カチ。
また書くと、カチ。
これは、自分には合わない、と思いました。

試行錯誤の結果…

今は、メモは手書きにしています。驚かれるかも知れませんが、プログラムのコードも。
あとで、デジタルデータにして、ブログなり、GitHub なりに登録するというやり方です。
アウトラインプロセッサのような使い方も、「リヒトラブ」の「ツイストリングノート」を
使えば可能です。

「ツイストリングノート」は、リングが小さく、薄いので、かさばりません。
ページの差し替えがスムーズに行えるので、ストレスもありません。
電池もいらないので、表紙の目次をみて、ページの横につけたタグを
たどれば、あっという間にたどりつきます。

「考えて整理する」のに紙ほど良いものはないというのが結論です。
あと、あちこちに出向するエンジニアとして、遭遇する困ったことのひとつに、
社内規制が整った企業ほど、外部のツールが使えない、ということがあります。

Google ドキュメントはもとより、Dropbox 、 Evernote などの
ストレージ系のサービスは使用禁止です。よくあるハック本では、必ずと
言っていいほど、これらの利用をすすめていますが、著者のほとんどは
根なし草、ノマド系だったり、フリーとして独立しているのでしょう、
社内ポリシーなど考えていません。
新社会人になって戸惑った方も少なくないのでは? と思います。

長文のコードなどは、「参照するための」ブログに登録して利用します。
外部からログインして編集するのは認められていないため、
その日経験し、見つけたハックなどは、ノートに書いて、あとでデジタルにすれば
なんとか管理できます。(※実際、社内ポリシーが完全に守られている企業ほど
エンジニアにとってやりにくい環境はないでしょう。GitHub くらいは、と思いますが)。

一時期は、Evernote ですべて管理する、という方法を検討し、
実際に、Keynote に蓄積したデータをすべて移行してみたこともあります。
が、結果として、今私は Evernote を使っていません。
それが常時使える環境にないことと、 Evernote がアウトラインプロセッサとしては
不完全であることがあげられます。階層を限りなく深くしていく、などということは
不可能なのです。

紙で管理する際は、ルールが2つあります。
・1ページに1つのテーマを書きます。
・ある程度量がたまったら、「ノート」としてまとめ、
最初のページを「目録」とします。
これだけで、かなりのメモがたまっても混乱しなくなりました。
※この「目録」づくりは、立花隆氏の「「知」のソフトウェア (講談社現代新書)
」を読んで
思いついたことです。シンプルですが、どれだけ情報がたまっても
管理可能な方法です。

あと、コードの管理はもうわりきって、ブログで行っています。

結論として、スタイラスで「スムーズにメモをとり、考える」というのは
相当難しいことだと思いました。もっと安い鉛筆、ボールペン、
紙のノート、ツイストリングノートで代用できるので不要になりました。
今、このスタイラスは価格もぐっと下がって、5千円台で購入できるように
なっています。メモを主体とせず、カチカチ鳴っても大丈夫な環境に
いる方にはおすすめいたしますw。








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